ランプレセプタクルとは
ランプレセプタクルを「レセップ」「ランプレ」などと略称で呼ばれたりしていますが,ここではそのまま「ランプレセプタクル」としておきます.
そもそもランプレセプタクルと言う長い用語に馴染みがない方も多いかと思いますので,言葉の意味からまとめたいと思います.
レセプタクルとは
コネクト(接続)する為の器具を総称して【コネクタ】と呼びますが,コネクタは大きく分けて3種類があり,Wikipediaから引用すると
- プラグ(接栓)・・・・・・・ケーブルに取り付けられる側のコネクタ
- レセプタクル(接栓座)・・・機器、パネル等に取り付けられる側のコネクタ(ソケット)
- アダプタ・・・・・・・・・・異なる種類のコネクタを互いに接続するための変換コネクタ
この中で,レセプタクルはプラグとなるものと嵌合できる構造の器具全般を言うようです.
ですから,ランプレセプタクルは「ランプと嵌合する受け側の器具」という事が出来ます.
ヘッドホンなどのピンプラグとジャックの関係で言うと,ピンプラグがその名の通り【ランプ】で,ジャックが【レセプタクル】になるわけです.
製造メーカによる呼称の違い
ランプレセプタクルは,日本に限れば大きく3社で製造されています.各社での呼称が微妙に違います.
- パナソニック ランプレセプタクル または レセプタクル
- 東芝,明工社 レセップ
【ランプレ】と言う名称はありませんねぇ.
ランプレセプタクルを使用する課題
過去の候補問題では,全13課題中12課題にこの【ランプレセプタクル】が使用されています.残る1課題は3路スイッチを使用するNo.6のみで,【露出形コンセント】が使用されています.
何れも【輪作り】という独特の作業を必要とする課題ですので,この輪作り作業については前回の投稿で詳しく説明していますので参考にしてみて下さい.
ランプレセプタクルの構造
「非接地側と接地側,負荷側」の話題でも取り上げましたが,最近(少なくとも5年前)電気工事士技能試験で使用されているのは全て明工社製でした.各社の写真は以下の通りです.
見た目は殆ど変わりませんが,カバーを外すとかなり差が見られます.実際の課題でもカバーが外された状態で支給されます.端子部を強調して撮った写真が以下になります.
技能試験で支給される時はカバーを外した,この状態になります.
外側の受金(ねじ)部分がランプ(電球)を廻し入れるソケット・・・レセプタクルになります.
中央に見える金属部分が「へそ」と言うそうですが,正式名称としては「中央電極」だそうです.
この受金部分と中央電極部分にはそれぞれねじの締め付けによる接続部分が設けられていますが,パナソニック製だけはその下の【台座】部分と同じ高さとなるのが特徴で,他の2社製はどちらも少し段差が設けられています.
端子部のねじ仕様も微妙に違っています.
- 明工社,東芝:M4 ねじの外径:4.0mm
- パナソニック:M3.5 ねじの外径:3.5mm
この端子ねじの外径の差が,必要とする心線の長さに影響します.
これらのねじは銅合金製ですので,先端が帯磁したドライバーでも引っ付いてくれません.
落としやすいので要取扱注意です.
電極と接地側,非接地側の違い
ランプレセプタクルに電球をねじ込もうとする際に,うっかり触れてしまうかも知れない受金側に非接地側の【L】をつないでしまうと感電の恐れがあることから,ランプレセプタクルは「受金側を接地側とする」事になっています.
受金側端子を【接地側】,中央電極側端子を【非接地側】と呼びますが,通常【非接地側】にはスイッチからの負荷側電線がつながります.
ただし,受金(ねじ部)側に【W】と表記されているのは東芝社製のみで,パナソニック社製と明工社製には表記がありません.使用されるのが明工社製と思って間違いないので,この形状で判断する様にして下さい.
この事は,課題の【施工条件】で指示されますが,技能試験に係る「欠陥の判断基準」では,
4.電線の色別,配線器具の極性が施工条件に相違したもの
に該当してしまい,間違うと欠陥となって不合格になってしまいます.
非接地側の構造の違い
先程,横一列に並べた写真で,中央の東芝社製と明工社製のランプレセプタクルの【非接地側】端子台で,受金側に近い部分に出っ張り(黄色矢印の箇所)があるのが判ると思います.パナソニック社製にはありません.
この出っ張りも,【非接地側】を判断する目安になりますが,実はこの出っ張りにはそれよりも深い意味が隠されています.
この端子部に段差があることも重要なのですが,受金の近くに出っ張りがあることで,【非接地側】の電線が【接地側】の受金に接触し難い構造となっています.
中央電極側の端子を右にして作業する場合,輪作りした黒の非接地側心線をねじ込んだ際,絶縁被覆が左側に引き寄せられてしまい,接地側の受金に触れることがあります.これを防ぐ役割がこの出っ張りになります.
この状態で,受金側の端子に白の接地側心線をねじ込む際は,絶縁被覆が受金から遠ざかる方向に引っ張られるので,こちらには口金側に出っ張りが設けられていません.
その代わりに,白の丸で囲った部分(白矢印の先)にポッチの様な出っ張りがあります.これがあることで,白の接地側心線もそれ以上外側に振られない様になっています.
もちろん,中央電極側の端子を左にして作業する場合は,黒の非接地側心線をねじ込んだ際に受金から遠ざかる方向に引っ張られますので問題ありませんが,接地側の白線が受金に接する事があります.
接地線側ですので電気的には問題ありませんが,絶縁被覆の損傷が将来懸念されますので,できればこの出っ張りを利用して,右側に黒線が来る様な接続を心掛けられた方がいいと思いますし,出来上がりもキレイに見えます.
明工社や東芝社製のランプレセプタクルの特長を活かして,
必ず,黒線が右側になる様に接続する
ようにしましょう.下の写真を見れば一目瞭然ですよねぇ?
ケーブルの通し方
技能試験に係る「欠陥の判断基準」では,ケーブルの通し方にも触れられており
- 8-5.ランプレセプタクル又は露出形コンセントへの結線で,ケーブルを台座のケーブル引込口を通さずに結線したもの
は欠陥とされます.
ですから,ケーブルそのものは台座の下からケーブル引込口(開口部)を通って端子部に向かうのですが,技能試験では「ケーブルが短い」ことから,むしろ輪作りをした後で,輪作りをしていない側から引込口に挿入する様にして下さい.
シース剥ぎと絶縁被覆剥ぎ長さ
あちこちで「一々数字は覚えなくても良い」という意味のことを言ってきましたが,輪作りに関する数字だけは覚えてしまった方がいいと思います.
ただ,ネット上の情報では間違った寸法を堂々と紹介されていたりしますので,ご注意下さい.
[単位:mm] | シース剥ぎ (被覆長さ) | 絶縁被覆剥ぎ (心線長さ) |
明工社製 | 45 | 22.5 |
東芝社製 | 45 | 22.5 |
パナソニック社製 | 40 | 20 |
数字が若干違いますが,先に説明しました様にメーカ別に構造が違うことによります.
- シース剥ぎ(被覆長さ)の違い → 台座の出っ張りが有るか無いか
- 絶縁被覆剥ぎ(心線長さ)の違い → 端子ねじの外径による差
ただし,前回の投稿で説明した様に心線の輪作りをする際,ある程度強く巻きこんで「余った分をカットする」事になりますから,どちらのタイプの心線ももう少し長めでも大丈夫です.
台座からの露出の意味
- 8-6.ランプレセプタクル又は露出形コンセントへの結線で,ケーブル外装が台座の中に入っていないもの
と言う判断基準が明記されていて,尚且つ下の写真で適切とされている例をよく見ると,シースが台座上部から少し覗いています.
この事が原因というか誤解を招いたのか知りませんが,どの解説書や動画でも
シース(ケーブル外装)が台座上部から少し出ていなければならない
として説明されています.
しかし,判断基準の文言をよく読んで下さい.
ケーブル外装が台座の中に入っていないもの
を「欠陥と判断する」と書かれているだけです.
と言うか,厳密には「台座の【中に入っていない】もの」はだめだと書かれています.
ですからシースの切断部は,上記の「適切」とされている画像より更に下,即ち「台座の中」に収まった状態(下の画像の右側)でも欠陥にはならないのです.
この点を抑えておけば,先程のシース剥ぎ長さはあまり厳密に考えずにやや余裕のある長さにした方が扱い易くなります.
シース剥ぎ (被覆長さ) | 絶縁被覆剥ぎ (心線長さ) | |
明工社製 | 45~50 | 20 |
東芝社製 | 45~50 | 20 |
パナソニック社製 | 45 | 20 |
絶縁被覆長さに余裕があるので,端子へのねじ込み操作がやりやすくなります.
そして最後に,ケーブルを台座下部から引っ張れば,余分な絶縁被覆は台座上部から内部に引き込まれて「蓋が閉まらない」状態にはならない事を確認しています.
ただし・・・ケーブル,絶縁被覆の損傷から守るためには,シースが台座上部から少し顔を出している状態が正しいということだけは覚えておいて下さい.
ここで紹介しているのはあくまでも「ガチガチにこうで無ければならない!」と,細かな数字まで覚えなくても良いことを説明しています.
何度も練習して,最終的にはシースの剥ぎ取り量:45mm,被覆剥ぎは20mmと覚えましょう.
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