第二種技能試験の場合,ほぼ単相二線式のAC100V回路しか出題されません.したがって,非接地側と接地側という区別が重要で,これを間違うと欠陥扱いになってしまいます.
一部,三相三線式や単相三線式の200V回路もありますが,ただつなぐだけの単純な回路ですので深く考えずに進みましょう.その時が来たら触れますので.
AC100V電源では,非接地側を【L】,接地側を【N】で表しますが,【L】は「Live:ライブ」,【N】は「Neutral:ニュートラル」の略記号です.【L】を「ライン」と呼ばれる方も居られますが,これは慣習的なもののようです.同じと思って下さい.
【L】をホット,【N】をコールドと表現されることもあるそうです.紹介だけ.
【N】は接地側ですから,大地に接地している側で常に【0V】ですから人間が触れても大丈夫ですが,【L】は非接地側と呼ばれAC100Vの場合,約-141~+141Vの電圧が掛かっています.ですから,うっかり触れてしまうと感電してしまいますので,どちらに接続するかは非常に重要です.
この状態をライブと言う意味から活線状態と呼び,電気工事は前もって配線遮断器をOFFにして,活線状態で無いことを確認して行う事になっています.
ちょっと横道にそれましたが,この【L】と【N】に接続する電線の絶縁被覆の色が決められていて,
- L・・・非接地側・・・黒
- N・・・接地側 ・・・白
となります.実際の試験課題では,「施工条件」と言う項で詳しく指示されます.
では,器具の側の非接地側,接地側というのはどうやって判断するのか?
実はどの器具にも「接地側」がどちらになるかという印があります.印のないものもありますが,その場合は「極性を持たない」と言う意味で,非接地側,接地側の区別がないのでどちらに黒,白(赤)を挿しても構わないという事になっています.緑は接地専用の被覆色ですので例外です.
具体的には,
- スイッチ 表記無し・・・極性無しと言う意味
- コンセント 接地側に【W】
- パイロットランプ 表記無し・・・極性無しと言う意味
- 引掛シーリング角 接地側に【接地側】
- 引掛シーリング丸 接地側に【W】
ただし,ランプレセプタクルだけは要注意で,受金(ねじ部)側に【W】と表記されているのは東芝社製のみで,パナソニック社製と明工社製には表記がありません.
しかし,ランプレセプタクルは「受金側を接地側とする」事になっています.と言うのも,実際にランプレセプタクルに電球をねじ込もうとする際に,うっかり触れてしまうかも知れない受金側に非接地側の【L】をつないでしまうと,感電の恐れがあるからです.
因みに,ランプレセプタクルの受金ねじ部では無い側は「へそ」と言うそうですが,それが正式名称かどうかは判らないです.特許図面などを見ると「中央電極」と書かれていますが...
以上で,非接地側と接地側の説明は終わりですが,電気の流れを簡単に表すと,
電源:【L】→黒被覆→スイッチ→電球などの【負荷】→白被覆→電源:【N】
この中で,スイッチから電球などの【負荷】に向かう電線の被覆色は規定されていません.極端に言えば「何色でも構わない」事になっています.
したがって,【負荷側】に向かう線の被服色は施工条件にも書かれていませんので,結構皆さん悩まれるようです.
では,実際にはどう考えればいいのか・・・
その時に余っている被覆線色のものを使えばいいだけです.黒が余っていれば黒を,白が余っていれば白を使えばいいだけです.
黒,赤,白の3本からなる VVF 1.6-3C なら赤線を使うことが多いでしょう.
最後に「渡り線」について少しだけ説明を.
渡り線も非接地側,接地側,負荷側の考えは同じです.
例えばコンセントの非接地側からスイッチに線を渡す時は黒色で無ければなりません.接地側からパイロットランプに線を渡す時は白色で無ければなりません.
負荷がパイロットであったり,ランプレセプタクルであった場合の渡り線は何色でも構いません.その時に考えやすい色を選ぶのがいいと思います.
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