露出形コンセントについて
コンセントと呼ばれる電気器具には大きく分けて埋込形と露出形があり,埋込形についてはこちらで説明しています.
コンセントを取り付ける場合,外壁と内壁の隙間に出来た空間に配線し壁に埋め込む形で使用しますので,通常は埋込コンセントを使用するのですが,壁のない柱上に取り付ける場合や後付けで埋め込むことが難しい場所,仮設の場合などでは露出形コンセントを使用します.
過去の課題で使用された露出形コンセントは全てパナソニック製の様です.型番はWK1012WPで,埋込型と同じカラーになります.
左の写真が蓋付きで,試験で支給される時は中央の写真の様に蓋がありません.
この中央の写真を見ると,右上には【↑上】,左上には【W】の文字が見えます.
これは,埋込コンセントと同じく「接地側の差込口」が長い(写真左側の蓋)方向が正しいことを示しています.
技能試験ではそこまで指示はされませんが,常にこの方向で接続作業をされた方が間違いにくいと思います.
また,接続用の端子ねじが左右一対で上下二組有ります.これらのねじは銅合金製ですので,先端が帯磁したドライバーでも引っ付いてくれません.落としやすいので要取扱注意です.
特に左側の「接地側」の端子ねじは亜鉛めっきが施されていて白くなっており,接地側であることが一目でわかります.
右の図は,パナソニック社によるWK1012PWの仕様図で,これら二組の端子が埋込コンセントと同じく,一方が電源からの接続用で他方が次の器具への送り用端子になっています.
※ 電圧側という表記は非接地側と読み換えてください.
この図では,上から通したケーブルを接続していますので上の一対を使用していますが,技能試験の課題では下からケーブルを通すパターンだけだと思いますので,方向は意識しておいて下さい.
ランプレセプタクルと違って,必ず左が接地側で白,右が非接地側で黒と覚えましょう.
露出形コンセントを使用する課題
過去の候補問題では,全13課題中12課題に【ランプレセプタクル】が使用されています.残る1課題は3路スイッチを使用するNo.6のみで,この【露出形コンセント】が使用されています.
何れも【輪作り】という独特の作業を必要とする課題ですので,この輪作り作業についてはこちらの投稿で詳しく説明していますので参考にしてみて下さい.
シース剥ぎと絶縁被覆剥ぎ長さ
ランプレセプタクルと違って,露出形コンセントはパナソニック社製一択ですので,覚える数字は一つだけです.
- シース剥ぎ(被覆長さ) 30mm
- 絶縁被覆剥ぎ(心線長さ) 20mm
つまり,最終的にはシースの剥ぎ取り量:30mm,被覆剥ぎは20mmと覚えましょう.
シース剥ぎ長さは,
- ケーブルを通す穴から端子までの距離が短い
- 台座の高さが低い
と言う二つの理由から,ランプレセプタクルよりは短くやや厳密に30mmと考えた方がいいと思います.
被覆剥ぎは,端子ねじが名工社製ランプレセプタクルと同じM4ですので,同じ20mmとしています.
ケーブルの通し方
技能試験に係る「欠陥の判断基準」では,ケーブルの通し方にも触れられており
- 8-5.ランプレセプタクル又は露出形コンセントへの結線で,ケーブルを台座のケーブル引込口を通さずに結線したもの
は欠陥とされます.
ですから,ケーブルそのものは台座の下からケーブル引込口(開口部)を通って端子部に向かうのですが,技能試験では「ケーブルが短い」ことから,むしろ輪作りをした後で,輪作りをしていない側から引込口に挿入する様にして下さい.
絶縁被覆長さが短いため,かなり窮屈な作業になりますが,接地側,非接地側を一旦仮止めしてから交互に締め付けていくと,バランス良く締め付けることが出来ます.
最後に,ケーブルを下に引っ張って形を整えましょう.
コメント