試験開始前の準備
【第二種技能-07 試験会場の様子】を参考にして戴くなどして,試験開始前の準備を行います.
技能試験では会場内が夏場は冷房で,冬場は暖房で何れも乾燥している事が多いので,机上に配られている「保護板(板紙)」と称されるB3サイズの厚紙がお椀上に反っていると思います.
このままでは厚紙が回転して作業がし難くなるので,まずはこの厚紙を裏返すことから始めましょう.そうすることで,厚紙の裏面も環境に慣らされて徐々に反りが収まっていきます.
工具類の配置,直尺の固定,時計を見やすい位置にセットなどといった準備をここで行います.
監督員の指示で,試験で使用しない(してはいけない)物品類はカバンの中などに明確に片付けてください.中途半端に机上の角に放置していると注意されます.
ただし,試験が開始されるとカバンから物を出すことは出来ませんので,必要な物まで仕舞い込まないよう気をつけましょう(ハンドタオル,空の小物入れ,絆創膏など).
支給材料の確認
受験案内の「(2)技能試験材料の確認について」には,以下の様に記載されています.
試験開始前に監督員が指示しますので、指示に従って与えられた材料等を試験問題用紙の材料表と必ず照合し、材料の不一致、不良、破損や不足等があれば監督員に申し出てください。試験開始後に申し出ても支給材料の交換には一切応じられませんので、材料確認の時間内に必ず確認してください。
ただし、監督員の指示があるまで照合はしないでください。
また、端子ねじ(ランプレセプタクル、露出形コンセント等)、リングスリーブ及び差込形コネクタは、作業のやり直し等により不足が生じた場合、申し出があれば追加支給します。
追加支給しても欠陥の対象とはなりません。なお、支給材料以外の材料は使用できません。
黄色のアンダーラインで示した「支給材料以外の材料は使用できません」という事を大げさに解釈して「結束バンド等は使用してはならない」と説明している方が居られますが,ちゃんと に,
ただし,電線を一時的に束ねるためのクリップ等については使用可能ですが,試験終了
までには,必ず取り外してください。
と明記されていますので使用可能です.しかし,完成品から取り忘れた場合は欠陥となります.
例えば,以下の様に支給材料のリストだけが見えている状態で問題用紙が配られます.
監督員からの指示を待ちながら,このリストを眺めていることになります.
この場合,リストの最初に【600V ポリエチレン絶縁耐熱性ポリエチレンシースケーブル平形】と有りますので,これは EM-EEF.つまりエコケーブルですから「候補問題のNo.1」だという事が判ります.
課題別支給品の特徴
No. | 電線類 | 器具類 | No. | 電線類 | 器具類 | |
1 | EM-EEF | 8 | VVR 2.0-2C | 6極端子台 | ||
2 | 2口コンセント | 9 | IV緑 | |||
3 | 3極端子台 | 10 | 配線遮断器 | |||
4 | 5極端子台 | 11 | IV | ねじなし電線管 | ||
5 | 200VE | 12 | IV | PF管 | ||
6 | 3路スイッチ | 13 | VVR 1.6-2C | 3極端子台 | ||
7 | 4路スイッチ |
候補問題No.3のみ特徴が確実では有りませんが,他の課題は全て何らかの特徴が有るようです.
この表を覚えると言うより,この様な特徴が有るので「練習してきた」経験から,どの候補問題かがイメージできると言えます.
実は,この問題用紙の裏面が「配線図」になりますので,それも踏まえてこの時点でうっすらと「あ,No.1の課題だな?」というのは判るのですが,はやる気持ちを抑えて待つことにします.
続いて,支給材料の入った小箱(底面A5×150H程度)が配付されます.
監督員から支給材料の確認を指示されたら,リストの1番目から順に確認します.
電線類
箱を開けると,数種類の電線が簡単に引きちぎれるゴム紐で括られていますので,分けてしまいましょう.
先ず電線種類が間違っていないことを確認した後,短い電線から先に長さの確認をします.
短い電線も丸まってクセが付いていますから,この時点で指でしごくなどして真っ直ぐに延ばしておきます.
この課題(No.1)の場合,EM-EEF 2.0-2C が 250mm以上有ること,VVF 1.6-3C が 350mm以上有ることを確認してリストに鉛筆等でチェックをしておきます.
別の課題では,VVRやIV線(接地線を含む)等も短い長さで支給されますので,ここで延ばしておきましょう.
次に,この課題では VVF 1.6-2C の比較的長い電線が2本丸められていますので,解きつつ全長長さを確認しましょう.支給寸法以上であればチェックします.
なお,このままで机上に並べたり,膝の上に置いてもいいのですが,邪魔になるだけですのでもう一度軽く丸めて,それぞれ最初の300~400mm程度を真っ直ぐに延ばしておけば良いでしょう.
私の受験時は,膝の上に置いて試験中に落としたり,長いまま振り回して前の受験者に迷惑を掛けている人を見かけました.
電線類は練習時と同じ位置に並べておいておきます.
器具類
電線の下に器具類が型に合わせて並べられていて,右側に小物類が小袋にまとめられていますので,先ず器具類を取り出します.
支給品リストの番号順に一つずつチェックしていけばいいでしょう.チェック事項としては種類は勿論のこと,「割れ,欠け」が無いか,端子台のねじが揃っているかなど,器具としての異常の有無になります.時間は結構ありますので,しっかり確認しておいて下さい.
器具類は,作業順をイメージしながら並べておくといいでしょう.アウトレットボックスとゴムブッシングは,試験開始時に直ぐに取りかかれるよう近くに置いておくのもアイデアだと思います.
リングスリーブ,差込形コネクタ
リングスリーブの小,中の別と個数,差込形コネクタの種類と個数を確認します.
この様な小物類は,作業途中で転がって下に落ちてしまうことがあり得ますので,用意していた小物入れか,ハンドタオルの上などに移しておくと安心です.
また,単独で支給されるリングスリーブと差込形コネクタに加え,元々器具に取り付けられているランプレセプタクル用端子ねじ,露出形コンセント用端子ねじ,ねじなしボックスコネクタ用止めねじは
作業のやり直し等により不足が生じた場合,申し出(挙手をする)があれば追加支給します。
と問題用紙に記されていますので,不足した場合は迷わず挙手してください.
私が受験した際は何度も挙手されていた方が居られました.コロコロと落ちやすい状態で作業されていたのだと思います.
その他
支給材料の入っていた小箱にすっぽりと入るビニール袋も支給されますので,この袋を入れた小箱の蓋を机の手前下に養生テープなどで止めて置けば,ゴミ袋として使えます.
電線カスなどをまき散らさずにその都度この中に納めながら作業を行うと,課題が完成した際に,課題を持ち上げながら机上の掃除をすると言った危険な行為は行わなくて済みます.
何よりも,いつもキレイな状態であれば間違いも発見しやすくなりますので,是非参考にしてみて下さい.
さあ,では今度こそ実際の課題について説明していきます.
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