前回の記事に引き続き,電線管の取付けについて説明します.
今回は「合成樹脂製可撓電線管」になります.
合成樹脂製可とう電線管工事部分
合成樹脂製可撓電線管にはPF管とCD管があり,技能試験ではPF管が出題されています.
蛇腹の付いた合成樹脂管なので可撓性(折れずに曲げられる弾性を持つ性質)が備わっており,耐燃性と自己消化性があるのが特徴ですが,そういった特性を省いた安価なものがCD管になります.可撓性がない物は硬質塩ビ電線管になります.
- 10-1.構成部品(「合成樹脂製可とう電線管」,「コネクタ」,「ボックス」,「ロックナット」)が正しい位置に使用されていないもの
と書かれていますおで,技能試験に支給されるPF管は次の様な構造となります.判り難い画像ですみません.
試験で支給されるサイズは呼び径で16mmと言うシリーズになります.
PF管とコネクタの接続
PF管やロックナットは,殆ど製造メーカによる差は有りませんが,コネクタだけは固定方法などが違うので注意が必要です.
例えば,パナソニック製の場合は【接続】,【解除】と言うマークが有って,【接続】位置でPF管を固定します.
古河電工製の場合は,ねじを廻す様に【緩める】,【締める】動作でPF管を固定します.
何れにしても,実際の作業としては
「接続」または「締め切った」状態のコネクタにPF管を思いっきり押し込んで固定する
のが正しい作業で,コネクタとPF管の接続はコレでおしまいです.
実際の試験時には,コネクタが【接続】または右に目一杯締め付けられていることを確認してから作業してください.恐らく支給状態で締め付けれていると思います.
練習時は何度もこの作業を行いますので,コネクタからPF管を外す作業も知っておいた方が良いでしょう.
パナソニック製は【解除】のマークまで,古河電工製は左に目一杯(約2回転)廻せばPF管が簡単に抜けます.
コネクタとボックスの接続
指定されたE19用の穴に,先程接続固定したコネクタとPF管のセットを差し込みます.
この時,コネクタに最初からセットされている「ロックナット」を外しておく必要がありますが,ロックナットには向きがあるので注意してください.
鍔のある側でボックスとコネクタを挟む様にして取り付けます.
技能試験に係る「欠陥の判断基準」に,ロックナットの向きについての記述が有りませんので向きを間違えても欠陥にはなりませんが,PF管が外れやすくなる危険がありますし,アウトレットボックス内での電線の取廻しに影響しますので正しい向きで取り付けましょう.
またここでも「ウォーターポンププライヤーを使いましょう」と言う説明をよく見聞きしますが,ロックナットを手で回し,このロックナットを摘まんだままコネクタを廻し込めば,十分に固定できます.
ウォーターポンププライヤーで廻そうとすると,狭いが故に却ってしっかり廻せませんし,最悪の場合,ロックナットの破損すらありえます.
技能試験に係る「欠陥の判断基準」では,こう書かれています.
- 10-1.構成部品(「合成樹脂製可とう電線管」,「コネクタ」,「ボックス」,「ロックナット」)が正しい位置に使用されていないもの
- 10-2.構成部品間の接続が適切でないもの
イ.「管」を引っ張って外れるもの
ロ.「管」と「ボックス」との接続部分を目視して隙間があるもの
つまり,「引っ張って外れなければOK」と言う事です.
以上で電線管の取付けに関する説明は終わりです.
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