引掛シーリング(ローゼット)は角形と丸形が出題されますが,例年の出題傾向としては全13問中角型が7問,丸形が1問となっています.
どちらのタイプにも,絶縁被覆と心線の形状,長さが象られたストリップゲージが刻まれていますので,この形通りに絶縁被覆を剥ぎ取れば間違いありません.
ここで問題となる点が二つあります.
- シースの剥ぎすぎ・・・・絶縁被覆が長くなりすぎる
- 絶縁被覆の剥ぎすぎ・・・心線が長くなりすぎる
意識せずに他の器具と同じ要領で作業していますと,上記の落とし穴に落ちてしまいます.引掛シーリングは特別扱いしましょう.
1.のケースでは,センター公開の技能試験に係る「欠陥の判断基準」で指摘されている
- 8-10.引掛シーリングローゼットへの結線で,絶縁被覆が台座の下端から5mm 以上露出したもの
に該当する恐れがあります.
また,2.のケースでは
- 8-9.心線が差込口から 2mm 以上露出したもの
ただし,引掛シーリングローゼットにあっては,1mm 以上露出したもの
に該当してしまい,一発アウトです.
1mm以上でダメと言う事は「心線がキラリと見えてはダメ!」と理解しておきましょう.
ではどうすればいいのか?
引掛シーリングだけは,その都度シース剥ぎ,絶縁被覆剥ぎを「ストリップゲージにあてがって」確認する事を徹底してください.
この画像を例にして手順を説明します.太い溝が絶縁被覆のゲージ,細い溝が心線のゲージです.
- シースを適当に(15~20mm程度)剥ぐ
- シースをストリップゲージの端にあてがう(器具端に突き当てる)
- 絶縁被覆分の溝長さ(3mm)に爪を立てた状態でストリッパーに当て,絶縁被覆を剥ぐ
- 再びストリップゲージに心線をあてがう(絶縁被覆ゲージ終端に突き当てる)
- 心線ゲージの端で爪を立てる(すべるので余分の長さを目安で覚えておく)
- 余った心線をニッパまたはVVFストリップゲージで切り落とす
- 最後にもう一度,ストリップゲージにあてがい確認する
文章に書くと煩雑ですが,実際は流れ作業のようにこなせるでしょう.
この黒線のようにぴったり合えば申し分なし.絶縁被覆はもう少し(2mm程)長くても大丈夫ですが,心線はこれ以上長くしない方が良さそうです.1mm程度短くなる分には構わないと思います.
白線は,余った心線を切り落とす前の比較用に残していますが,実際は2本同時に切り揃えます.
この様にして切り揃えた絶縁被覆と心線の長さは
絶縁被覆部分・・・約3mm, 心線部分・・・約10mm
となります.
この長さは,他のスイッチやコンセントで説明した「心線長さは10mmで良い」というレベルよりは,厳しめに切揃えてください.毎回「ゲージにあてがって確認する」事を徹底しましょう.
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